脳神経内科

主な専門診療分野

  • 神経内科疾患

外来診察日

[2024年10月]
午前 高場 啓太 出口 一志
川北 梨愛
出口 一志
喜多 誠(予約のみ)
紀乃 正志(予約のみ)
城 妃咲
午後 高場 啓太 出口 一志
川北 梨愛
出口 一志
喜多 誠(予約のみ)
紀乃 正志(予約のみ)
城 妃咲

診療内容・特徴

当科は神経内科専門医6名が、脳、脊髄、末梢神経、筋疾患の診断と治療にあたっています。
当科の対象となる疾患の症状には以下のようなものがあります。
けいれん、頭痛、身体の脱力、ろれつが回らない、見えにくい、もの忘れ、ふるえ・勝手に手足や体が動いてしまう、しびれや痛み、筋肉のやせ、歩行のふらつき、めまい、意識障害など。
近年の脳神経内科分野の進歩は目覚ましく、これまで治療が難しかった疾患にも多くの新規治療が導入されるようになりました。代表的な疾患として以下のようなものがあります。

神経変性疾患

1) パーキンソン病

Key word:動作が遅い、手が振るえる、歩きにくい、転ぶ
ドパミン不足を内服薬で補う方法では効果が不十分な時、デバイス治療が有効な場合があります。当科では、①脳深部刺激療法、②皮下へのレボドパ持続注射を積極的に行っており、患者さんのQOLを向上させています。

2) アルツハイマー病

Key word:すぐに忘れる、新しいことを記憶できない
従来は内服・貼付剤による治療のみでしたが、2023年末から原因物質であるアミロイドβを除去する画期的な薬剤(レカネマブ)が使用可能となりました。当科でも軽度のアルツハイマー病を対象に治療を行っています。

神経免疫疾患

1) 重症筋無力症

Key word:眼瞼下垂、易疲労、夕方以降に悪化
有効性の高い免疫治療を早期に重点的に行い、再発予防には少量ステロイド維持で治療を行っています。難治例やステロイドに対する忍容性が低い例では複数の分子標的薬が使用可能となっており、良好な治療成績を得ています。
また、臨床治療も行っています。

2) 多発性硬化症、視神経脊髄炎

Key word:脳・脊髄の多発性炎症、再発寛解
これら2つの疾患も複数の分子標的薬の使用が可能となり、再発をほぼ完全に抑制することが可能となりました。

機能性疾患

片頭痛

Key word:動くと増強する頭痛、静かな暗所で安静にするのが楽
日本人の10人に1人が罹患していますが、実際に受診する方は少なく、潜在患者が非常に多い疾患です。頭痛が高頻度でQOLへの影響が大きい場合にはCGRP製剤を用いた治療を行っています。連日のようにおこっていた片頭痛がほぼ消失した例もあります。

その他の主な病気

  • 神経変性疾患
    多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、筋萎縮側索硬化症など
  • 神経免疫疾患
    ギランバレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎など
  • 発作性疾患
    てんかんなど
  • 認知症
    レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症
  • 感染症
    髄膜炎、脳炎など
  • 筋疾患
    筋ジストロフィー、多発筋炎、封入体筋炎など

検査

パーキンソン症状(振戦、動作緩慢、転倒など)における鑑別診断には、DaT SPECT(図)、MIBG心筋シンチが有用ですが、当科では神経診察に基づいた最適な検査法を選択しています。筋力低下やしびれの際に行う末梢神経伝導検査ではcommon nerveだけでなく、日本臨床神経生理学会が推奨するuncommon nerveにおける検査も施行可能であり、日本臨床神経生理学会認定の専門医・専門技術師が検査にあたっています。また、通常の検査では診断できない小径線維の異常についても、血流ドプラーや感覚闘値検査による評価を行っています。筋生検診断は、国立精神・神経医療研究センターの御協力で、各種の特殊染色を含めた正確な診断が可能です。その他、自律神経機能検査(心血管、発汗)、遺伝子診断など、特殊な検査も行っています。


図 DaT SPECT
線条体における集積低下(ドパミン神経減少)を可視化できます