死とは人間にとって究極の通過儀礼である。
医師は人間の死に関わることのできる数少ない職種の一つで、人の死と向き合う医師は患者さん本人のみならず、必然的にその家族にも深く関わっていくことになります。私は癌治療を通して患者さんと向き合うことに医師としてのやりがいを見出し、消化器内科医という道を選択しました。死と向き合う時、医師も傷つき、消耗しますが、自分が何をやったのか冷静に見つめ直し、ベストを尽くしたと信じられることが、その後の医療行為の支えとなります。
「成功」の反対は「失敗」ではない。
「成功」の反対は「挑戦しないこと」である。
この言葉は私が大学院在籍中に出会ったある小説の一節で、私の最も好きな言葉です。また、かの有名なトーマス・エジソンも以下のように述べています。
I’ve not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.
私は失敗したことがない。ただ、1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ。
私は基礎研究ではなく臨床研究で学位論文を執筆しようと決意し、現在の消化管グループへの所属を志願しました。当グループでは、新規術式の考案、新規デバイスの開発を勢力的に行っており、多数の論文を発表しております。臨床業務に追われる中での動物実験は体力的にも精神的にも決して楽ではありませんが、不思議と嫌ではありません。当然毎回良い結果が得られるわけではなく、思うような結果が得られず実験終了となることもあります。しかし、「今回の実験は失敗だった」「何も得るものがなかった」とは考えず、「今回の実験で、この方法論ではうまくいかないことを実証することに成功した」とプラス思考を維持し、実験を楽しむことができました。新規術式、新規デバイスの開発に多少なりとも関わることができ、医師としてとても有意義な時間を過ごすことができております。
学生・研修医の皆様へ
最後に、消化器・神経内科は基礎研究でも臨床医としてもプロフェッショナルを追及できる環境が整備されております。その一方で出産・育児に対する理解も十分で、それぞれの個性にあった働き方を選択できます。皆様にとって最高と思える環境で、医師という仕事のやりがいを本当に実感してもらえるような選択をサポートさせていただきます。