西山 典子

西山 典子
西山 典子消化器内科(消化管グループ)(兵庫医科大学 2006年卒)

育児・家事をしながらでも従事可能な、最前線での医療

私は県外からの帰郷にて当香川大学消化器・神経内科医局へ入局し、医師6年目となります。

研修医時代より低侵襲治療にとても興味があり、各科をローテートした際に、患者さんの心身に優しい治療によって傷や痛みを少なくしてあげたい、さらに診断から治療まで全てが可能な消化器内科を選択致しました。

後期研修の3年間にて、まずは一般的な消化器疾患の診療、内視鏡検査・超音波検査、各治療を学びました。その後の入局となりましたが、偶然にも高難度ESD(粘膜下層剥離術)、LECS(胃間葉系腫瘍に対し、内視鏡医と外科医の合同で胃内腔からESD手技にて最小限の局所切除を行う腹腔鏡・内視鏡合同胃局所切除)等を活動的に行っている消化管グループへ配属させて頂けました。

当初は環境の変化に戸惑う暇もなく、正木教授を始め先輩医師の基で、臨床の後に夜遅くまで論文作成の日々を過ごしました。

その様なご指導の中、学位論文となりましたのは、難治性消化管疾患(難治性出血、穿孔、瘻孔、縫合不全)に対し、新たな内視的全層縫合器であるOTSC(Over-The-Scope clip)の臨床的有用性をまとめた研究です。従来の内視鏡治療困難例は、外科手術が最終手段となっていましたが、緊急手術における高い死亡率の報告からも、患者さんに負担の少ない、低侵襲内視鏡治療の必要性を実感し、当院では国内に先立ち、OTSCをいち早く導入しました。

また、当医局では、「心のこもった(思いやりのハート)確かな技術(卓越したアート)で、治す」をモットーとしております上司の基、臨床的技術の研磨のみならず、臨床面における工夫・発想などから生まれた研究を積極的に学会発表や、論文化できる環境にあり、大変ありがたい事だと実感しております。

私は、一通り専門医試験を習得した後に出産・育児となりましたが、当初はこれまで通りESDなどの内視鏡治療、病棟業務と育児・家庭の両立ができるのかとても不安でした。しかし医局及び、上司・同僚の理解、家族の協力の基、医療の最前線から一度も離れる事なく、今まで継続して従事する事が出来ました。女性医師の分岐点は、出産後と一般的に言われておりますが、当医局では子育てに専念した後に非常勤にて働くなど個々のライフスタイルに合わせた医局のサポート体制が整っております。

最後に、診断から治療まで幅広い医療が可能な消化器内科に興味がある方は是非見学にいらしてください。そしていつか一緒に働く日が来ることを楽しみにしております。