野村 貴子

野村 貴子
野村 貴子消化器内科(肝臓グループ)(香川大学 2003年卒)

現在は診療・教育と共に、進行肝細胞癌に対する集学的治療や原発性胆汁性胆管炎の予後予測を研究テーマとし、育児・家事にとフル稼働の毎日です。

かつて小学校の卒業文集に将来なりたいものは「お医者さん」と書きました。そんな私が消化器・神経内科への入局を決めたのは、「お医者さん」のイメージに結び付く診療科は内科であったこと、内視鏡検査をできるようになりたいと思ったこと、更には、この医局には多様な個性を持った先生方がいらっしゃって自分でも馴染めそうだなと感じたことによります。

入局後、上級医の先生方の技を少しでも盗もうと内視鏡検査室に通い詰める日々の中、大学院に在籍して当時講師であった正木教授に師事し、研究活動も並行していました。大きなゲルを用いて2次元電気泳動によるプロテオーム解析を何度も繰り返し、ヌードマウスと格闘し、ウエスタンブロット・免疫染色・プロテインアレイなど数々の実験をやってみたもののスムーズに結果が得られないことの方が多かったのですが、何とか肝細胞癌の発癌過程に関連する因子をテーマとした研究で医学博士号をいただきました。

その後関連の市中病院に出向していた際に結婚、妊娠を契機に大学へ帰局しましたが、この先子育てをしながら仕事が続けられるのかと不安ばかりでした。そんな中、第1子産後から第2子出産までの間は、ちょうどその頃に整備されたパートタイム制度を利用し、子供は大学構内の事業所内保育所に通い、合間で授乳しながら、日当直や病棟業務をしない日勤帯の内視鏡及び腹部超音波検査の外来業務や学生の指導などに従事していました。

転帰となったのは、第2子産後どのように仕事をしていくかについて、正木教授と面談したことでした。提示していただいたいくつかのプランから、このタイミングを逃すともう二度とないだろうと思い、思い切って、大学で肝臓グループに所属して病棟業務に復帰することを選択しました。消化管疾患に重きを置いて業務してきた経歴から方向転換し、4年ぶりに病棟業務を再開した当時、検査をする手は動くのだけれど、頭の錆び付きを実感して苦労しましたが、先輩や後輩の先生方のサポートのおかげで徐々に頭が回転するようになりました。子供を寝かしつけた後に暗がりの中で専門医試験の勉強をしたことも今では良い思い出です。現在は診療・教育と共に、進行肝細胞癌に対する集学的治療や原発性胆汁性胆管炎の予後予測を研究テーマとし、育児・家事にとフル稼働の毎日です。

残念ながら明確な将来展望のなかった私が、その時々で仕事と生活のバランスをとりながら仕事を辞めずに続けてこられたのは、予想し得ない様々な巡り合わせと何よりも周囲の方々の温かいご配慮によるものが大きかったと思います。

最後に学生・研修医の方々へのメッセージとして、当医局は皆さんの背景に応じた柔軟な対応がとれる体制が既に整っています。私たちと一緒に皆さんの可能性を広げてみませんか? いつでもお待ちしております!!